皆様、こんにちは。ドライブネッツでは、ハイエンドルータ市場で今後のトレンドに登場するであろうDistributed Disaggregated Chassis (DDC) を中心とした技術や市場の世界的なトレンドを日本の皆様にお伝えできればという思いで、本社に続き、日本語ブログを始めることにしました。
DDCとは、今までの一体型シャーシベースのルータから、ソフトウェアを分離、分散させ、その機能を汎用のホワイトボックスやサーバー上で動かしていく取り組みです。この考え方は5-6年前からあったものの、分散型の大型ルータとして動かすまでのハードルは高いものでした。ドライブネッツでは、スケールなど様々な難題をイノベーションで突破し、2020年末に、Tier-1キャリア商用ネットワークでの稼働を実現いたしました。
ドライブネッツ ネットワーククラウドの紹介
ドライブネッツは2015年末にイスラエルで設立されたソフトウェアベンチャー企業です。投資ファンドによる複数ラウンドで総額約850億円 (2022年7月時点) の投資を受け、スケールと品質を伴った画期的なキャリアグレード ルータ ソフトウェアの開発に成功しました。このソフトウェアを利用した当社の Network Cloud ソリューションは2020年末に米国AT&TのコアIPバックボーンネットワークで全面採用[1] され、その大型受注をきっかけに、世界各国のキャリア様で様々なユースケースで採用されるようになっています。2022年10月現在、約400人規模の従業員からなるユニコーン企業として成長を続けています。
ドライブネッツは、業界コミュニティ活動や標準化活動に力を入れています。DDCのアーキテクチャや仕様は、Meta (Facebook)社が主導するOCP (Open Compute Project) やTIP (Telecom Infra Project) といったコミュニティ団体で積極的に議論されています。DDCを含む、より広いハードウェアのオープン化のトレンドはこの先数年で業界の大きな流れの一つになると考えています。
ドライブネッツでは、ルータのDDC化だけではなく、さらにその先を視野に入れた研究開発を行なっています。ルータソフトウェアを動かすホワイトボックスやサーバー群の上で、複数のルータソフトウェアを同居させたり、ファイアウォール・DDoS・DPIといった各種ネットワークアプリケーションを同一ハード群で動かしたりできるようにする、「マルチサービス」のコンセプトを導入するものです。このコンセプトに基づき、すでに米国では、ネットワークアプリケーションベンダーと実証試験を開始しています。このコンセプトは、企業ITの分野において、かつて企業で個別に導入・運用されていた様々なITアプリケーションが、AWSなどパブリッククラウド上の巨大なサーバリソース群の上に集約されてきた、クラウド化のトレンドと似ていると言えるでしょう。ドライブネッツでは、IT分野で実現されてきたクラウド化に伴う経済化・効率化を、ネットワークの世界で実現することを目指しています。
本ブログでは、当社の技術者がDDC・マルチサービス・ハードウェアのオープン化といった業界のトレンドと、それらがもたらすオペレーションコストや電力コストの削減効果などについて、掘り下げたコンテンツを定期的に紹介してまいります。是非ご一読いただき、皆様方の次世代ネットワーク作りに際して、当社にお声がけいただけたら幸いです。