ネットワーク統合に最適な 自動化とディスアグリゲーション

また、ネットワークは時とともに分散化が進み、すべての要件を満たすことが困難なものへと進化していきます。多様化によって分散せざるを得なくなり、維持コストはかさむ一方ですが、DriveNets はその改革に取り組んでいます。

断片的でコストのかかるネットワーク・トポロジーと運用

この1年間に私がヒアリングをした88のネットワーク事業者のうち、「単一ベンダー」のネットワークを持っていると答えたのは8社だけで、平均は3ベンダーでした。ネットワークが単一のテクノロジーで構成されているという事業者は皆無で、4つの異なるテクノロジーが平均的です。導入されている機器は、6ヶ月未満のものから6年以上経過したものまで様々で、平均してほぼ3つの異なる管理システムと運用専門チームを擁しています。このような多様性は、ネットワークが本質的に分散型かつ階層的、さまざまなサービスの混在、そしてネットワーク・ベンダーが長年にわたってネットワーク・インフラの各レイヤに特化したテクノロジーを採用してきたことという事実によって生み出されたもの、と事業者は述べています。

それはつまり？平均的な事業者は、この分散されたネットワークの多様性によって、必要以上に20％のコストがかかっていると述べています：

• サービス全体の停止時間は3倍に
• 電力と冷却コストが33％増加
• スタッフのトレーニングに割かなければならない時間が4倍に

これらすべては、世界中の事業者にとって、利益改善の通常の源泉であるユーザーあたりの平均収益（ARPU）や総アドレス可能市場（TAM）の増加がほとんど見込めない昨今、収益向上に苦労している今日に起こっていることなのです。投資家の期待に応えるだけの収益を上げられないのであれば、コストを削減する必要があります。

この状況は、長年ネットワーキングの業界で常識とされてきたことなので、完全に理解できますが、もはや耐え難い状況です。この問題を解決するには、ネットワークをより厳しく見直す必要があります。本当にすべて必要でしょうか？

• はい、分散は必要ですが、そのために使用するコンポーネントを減らすことはできますか？
• すべてのロケーションが必要ですか？　それとも統合できますか？
• コンポーネントの一部を標準化するにはどうすればよいでしょうか。ハードウェアを集約すれば、運用タスクの集約化が図れますか？

つまり、ネットワークのフットプリントを最適化できるかということです。そのためには、分散と多様というネットワークの特性に、分離という特性を追加する必要があります。

ネットワーク変革におけるゴール

3つ目の特性「分離」は、どのように役立つのでしょうか。答えは簡単で、他の2つの特性による影響を軽減できることです。ネットワークにおける分散をなくすことはできません。顧客が分散しているため、分散しているのです。しかし、標準リソースのプールを作成し、機能をソフトウェアベースにするクラウドの原則を活用しネットワークを改善することで、この分散の影響を軽減することはできます。また、「分離」は、予備品一式を常備する必要がなく、異なる運用方法や運用上の複雑性を招く多種多様な専用機器を排除する、好機をもたらします。矛盾しているように見えるかもしれませんが、ネットワーク要素の分離は、ネットワーク・ハードウェアと運用の両方の融合を促進します。

あなたはこれまで、多くのネットワーク図を目にしてきたことでしょう。そして、それぞれの図を思い返してみると、機器は常に箱で表現されていることに気づくでしょう。おそらく、さまざまな形の箱が使われていると思いますが、いずれにしても箱です。つまり、インフラとは何よりもまず、伝送設備によって接続された一連の機能的役割であるということです。正方形、長方形、台形など、どのような形状の箱を描いても、必然的にまったく異なる種類の装置で実装されるにも関わらず、なぜこのような標準化をしてしまったのでしょうか。また、なぜ容量の増加や可用性の向上は常に、より多くの箱の設置を必然にしてしまったのでしょうか。なぜなら、私たちは今日、半世紀前にデータセンターを構築したのと同じ方法でネットワークを構築しているからです。アプリケーションごとに異なるクラウド、あるいは異なるクラウドサービスを利用しているわけではありませんよね？それなら、クラウドモデルをネットワークの標準モデルにすればよいのではないでしょうか？そして、クラウドが全般的な自動化、特にAIによって変容しているように、私たちの新しい分離モデルが実現するハードウェアと運用の融合は、自動化されたNetOpsを変革し、AIOpsを促進します。

これらすべての利点を実現するには、これらのボックスを異なる機能の、分離型のアプローチ、すなわち、ソフトウェア機能として考える必要があります。ボックスはあまり重要ではなくなります。長年にわたり、通信業界はコストを下げるためにボックスを最適化することに注力してきましたが、結局はそれを維持するための運用コストを増やすことになりました。ハードウェアの分離モデルでは、あらゆるネットワーク機能を共通のプラットフォーム上に実装できることを意味し、クラウドと同じようにリソースのプールを作ることができます。ハードウェアとソフトウェアを分離することで、クラウドにおけるDevOpsやオーケストレーション・ツールが生み出すような統合運用モデルが可能になります。

ネットワーク統合の利点

ネットワーク運用が、エッジに単独で展開されているか、より奥深くにプールとして展開されているかに関わらず、すべての要素で同じ方法で動作するとしましょう。これで、すべてのインフラ要素に共通の運用モデルが得られます。使用する各ハードウェア要素が同じ「ホワイト・ボックス」タイプであれば、必要なスペアは1セットだけです。運用スキルセット、チーム、トレーニングプロセスは1つずつで済み、管理の可視性と運用は完全に統一されます。このアプローチでは、運用の自動化が容易になります。なぜなら、今日のネットワークのほとんどに見られるベンダーやデバイスに特化したサイロがなくなるからです。最近よく耳にする「真実の唯一のソース」は、運用の自動化には不可欠であり、分離を促進する統合運用モデルに内在しています。

運用コスト、予備品のコスト、設備、電力・冷却コストはすべて、機器の多様性によって引き起こされる複雑さに比例します。分離とクラウドの原則は、機器、ロケーション、レイヤーをすべて統合することで複雑性を軽減し、異常状態への対応を自動化することで人的労力とエラーを削減します。要素の追加によりプールレベルでリソースを増強できるということは、耐障害性、拡張性、可用性がすべてクラウドと同様に最適化されることを意味します。

DriveNetsによるComcastのネットワーク改革

DriveNets Network Cloud は、サービスプロバイダ向けのオープンなソフトウェアベースの統合ソリューションを提供します。統一されたハードウェアとソフトウェアのプラットフォームでハイパースケーラのようなネットワークを実現し、ネットワーク・アーキテクチャを簡素化し、フットプリントを削減します。Network Cloudでは、機能だけでなく、デバイスの役割やレイヤーまでもがソフトウェアによって定義されるため、互換性のあるハードウェア・デバイスであれば、事実上どのようなものでも仮想的にあらゆる役割を果たすことができます。

大手ケーブル・プロバイダーであるComcastは彼らのJanusプロジェクトに、DriveNetsを採用しました。このプロジェクトは、分離と仮想化、ハードウェアと運用の融合、AIを活用した運用自動化の原則を駆使した大規模なインフラ近代化構想です。Comcastのネットワークは米国最大の規模を誇り、6,300万箇所以上にサービスを提供しています。多くのブロードバンド事業者と同様に、スポーツイベントのライブストリーミングの人気が主な原因でトラフィックが爆発的に増加し、データ・トラフィックのパターンが日々大きく変動しています。このような状況では、資本コストと運用コストを削減し、サービスの体感品質を向上させ、障害を迅速に復旧することが重要です。彼らは、従来の「ブックエンド型」のハードウェア・コンポーネントやデバイス固有のソフトウェア、運用フレームワークを改善することが難しいと判断し、真のクラウド中心のネットワーク・モデルを構築するためにJanusを立ち上げました。Comcastのコア・ルーティング、スイッチング、トランスポート・ネットワーク機能の管理と制御が、エッジのクラウド・プラットフォームに移行されました。

Janusは、DriveNetsの共通要素ホワイトボックス・モデルをベースにしており、クラウド・ネイティブなネットワーク機能コンポーネントのホスティングを分離分散化し、それらを単一のデバイス機能がホスティングされる実質的なリソースプールセットに集約します。これにより、ComcastはAI/MLを使用してネットワーク状況を分析し、自動応答をトリガーすることができます。Janusは、機能と容量を、必要な場所に、必要な量だけ、そして収益性と手頃な価格を両立させるサービス提供に必要なコストで提供します。

ComcastのJanusの報道発表を引用します：「Comcastは、クラウド・ネットワーク技術のリーダーであるDriveNetsが開発したNetwork Cloudソフトウェアを使用しています…」今回の導入は、クラウドの原理と分離によって、レガシーなデバイスモデルによって生じる多様性や複雑さを制御するために、ハードウェアおよびソフトウェア・ベースのネットワーク機能を分散させることができることを示す完璧な例です。

ネットワーク・インフラの「上に」どのようなサービスが作られるにせよ、インフラとその接続サービスは収益性の高いものでなければなりません。その第一歩は、基本的な接続コストを削減することから始まり、顧客体験の要件に最適に適合するようにサービス機能を調整することにまで及びます。共通の要素セットで構築され、あらゆるミッションに対応できるように組み立てられながらも、統合化および自動化された運用モデルを維持するネットワークは、サービス品質のニーズを評価し、それを満たすための新機能を生み出せる点で本質的に優れています。まさに、DriveNets Network Cloud が提供するものです。