ネットワーククラウドとは？

最近、「ネットワーク クラウド」という言葉をよく耳にします。これは、ネットワークオペレーターやクラウドプロバイダーが、過去 20 年間にネットワークを構築してきた方法では、現在の (ましてや将来の) ビジネス上の課題に対応できなくなっていることに気付き始めたことと相関しています。ネットワークには何らかのパラダイム シフトが必要であり、このシフトはクラウドのようなネットワーク、つまりネットワーク クラウドの構築に向かっているのです。 

過去に、データセンターにおける同様の課題が、ハイパースケーラーiによって解決されました。ハイパースケーラーは、ハードウェアからソフトウェアを分離し、低コストの COTS (Commercial-off-the-shelf) サーバーを集約して、仮想化レイヤーiiを導入することで、コンピューティング・メモリ・ストレージを共有リソースプールとして使用する形態にクラウド モデルを進化させました。さまざまなアプリケーションがハードウェア リソースを共有して、必要とされる場合にのみ消費できるようにしました。これは大きなパラダイム・シフトだったと言えます。 

ドライブネッツ ネットワーククラウドの紹介

しかし、「ネットワーク クラウド」とは正確には何を意味するのでしょうか。クラウドのようなネットワークを構築するにはどうすればよいでしょうか。  

人によって複数の答えや定義があるので、ここで本稿で使う言葉の意味を正確に定義しましょう。 

ネットワーク・クラウドの短い定義:  

ネットワーク・クラウド（名詞）：あらゆるネットワーク機能に対応する、分離・分散され、クラウドネイティブで、マルチサービス、マルチベンダー対応、ネットワークに最適化され、オーケストレーションされたインフラストラクチャのこと。 

ネットワーク・クラウドのより詳細な定義: 

ネットワーク・クラウドは、何よりもまず、あらゆるネットワーキング機能のための統一されたインフラストラクチャである。つまり、あらゆるネットワーク機能に最適に対応できる、ネットワーク全体にわたる統一されたインフラストラクチャー層です。 

今日の多くのネットワークは、ベンダー独自のハードウェア中心的なのルータインフラストラクチャに基づいています。そこではリソースをネットワーク リソース プールとして共有できないため、非効率的でコストのかかる物理インフラストラクチャになっています。 

一方、「ネットワーク クラウド」は、システム全体に利益をもたらす特定の機能と価値を提供します。成功する「ネットワーク クラウド」は次のとおりです。

• 分離されていること (Disaggregated): ハードウェアとソフトウェアの分離は、ネットワーク クラウドの前提条件です。ネットワーク クラウドは、ネットワーク機能ソフトウェアを市販の (=COTS) ハードウェア上で実行できるようにする抽象化レイヤーを提供します。
  
• 分散されていること (Distributed): これは、COTS ハードウェアのクラスタを単一のリソース プールにグループ化することを意味します。これは抽象化レイヤー (ハイパーバイザー) によって行われ、より小さく少数のハードウェア ビルディング ブロックの使用、簡単なスケーリング、マルチレベルの分解が可能になります。ハードウェアとソフトウェアの分離に加えて、マルチレベルの分離とは、コントロール プレーンとユーザー プレーンの分離、さらには転送機能とファブリック機能の分離を意味します。
  
• クラウドネイティブであること (Cloud-native): インフラ全体に分散したコンテナ型のネットワーク機能を実行できるようなソフトウェア環境。
  
• マルチサービスであること: (Multiservice): 共有リソース（ハードウェアのクラスタ）上で複数のネットワーク機能のインスタンスを実行できるインフラ。
  
• マルチベンダーであること (Multi-vendor): ネットワーク・クラウドのインフラを提供するベンダーのソフトウェアインスタンスだけでなく、マルチベンダーのインスタンスを稼働させられること。
  
• ネットワークに最適化されていること (Networking-optimized): ネットワークに特化したASIC（NPU）を搭載したホワイトボックスをベースとし、ネットワークに最適化されたハードウェアインフラであること。さらに、抽象化レイヤーは上位レイヤーのインスタンスに（ホワイトボックスが持つ）計算リソースとネットワークリソースを両方割り当てる必要があります。これにより、システムはネットワーク負荷の高いタスクをNPUにオフロードし、これらのアプリケーションを高速化し、特定のネットワークシナリオに必要なハードウェア全体を削減することができます。
  
• 統制されていること (Orchestrated): ソリューション全体が統制され、管理され、自動化されていること。これにより、事業者は現在のモノリシックなネットワークインフラよりも効率的にネットワークの計画、準備、管理、トラブルシューティング、最適化を行うことができます。 

DriveNetsネットワーク クラウド ソリューション 

上述したネットワーククラウドのメリットは、DriveNetsネットワーク クラウド ソリューションの特徴やメリットをそのまま映し出しています。 

 下図は、DriveNetsネットワーク クラウドのアーキテクチャのイメージを示したものです。まさに、あらゆるネットワーク機能に対応し、分離・分散され、クラウドネイティブで、マルチサービス、マルチベンダー対応、ネットワークに最適化され、オーケストレーションされたインフラストラクチャです。 

DriveNetsネットワーク クラウドは、同一のホワイトボックスで構成されつつ、さまざまなサイズのネットワーク機能に対応できます。同じソフトウェア (DNOS; DriveNets Network Operation System) で、シングルボックスのルータから市場で最大のルータサイズまで拡張することができます。 このアーキテクチャは、ネットワークを最も効率的に構築する方法を提供するとともに、ネットワークに必要なハードウェアリソースの量を大幅に削減し、コスト削減、最適なスケーリング、革新の容易さにつながります。 

 DriveNetsネットワーク クラウドは、ネットワーク全体の運用を簡素化し、キャリアグレード品質で、かつ通信事業者規模の性能を従来よりもはるかに低いコストで提供します。ネットワークの運用モデルを合理化し、大幅な成長、迅速なサービス革新やサービスの収益性向上を可能にします。 

 最後に、オープンアーキテクチャを確保するため、DriveNets製ネットワーククラウドは、あらゆるネットワーク、クラウド認定ハードウェアプラットフォーム上で実行できるようになっており、Open Compute Project (OCP)（オープン・コンピュート・プロジェクト） にAT&Tが提案したDistributed Disaggregated Chassis (DDC ) （分散分離型のシャシー） アーキテクチャに業界で初めて対応しました。 

 DriveNetsネットワーククラウドは、ソフトウェアベースのネットワークを実現するための唯一のプラットフォームなのです。 

終わりに 

ドライブネッツでは、サービス・プロバイダのビジネス課題を解決するためのネットワーク・クラウド ソリューションを開発・提供しています。本ブログの他の記事や当社ウェブサイト をぜひご参照ください。また、導入にご関心のある日本のお客様は、ウェブサイト からコンタクトください。