先週はバルセロナにいつもの景色が戻ってきました。ここ数年の世界的なパンデミックがなかったかのように、MWC (Mobile World Congress) はバルセロナでいつものように開催されました。実際のところ、前年の MWC とは異なり、今回の MWC は本来の形式、範囲、観客数に戻っていました。
MWC サービスプロバイダー向けプレスイベントのハイライト
ドライブネッツは、業界アナリストやメディアを対象としたパネルを開催し、ドライブネッツの取り組みについて説明するとともに、分離分散型ネットワーキングの進展について業界リーダーから話を聞きました。パネルには、AT&T社のSVP (上級副社長) 兼ネットワーク CTO(最高技術責任者)のイガル・エルバズ氏、オレンジ社の国際ネットワーク担当上級副社長のジャン・ルイ・ルルー氏、テレフォニカ社のコア、運送、サービスプラットフォーム担当副社長のカエタノ・カルバホ氏が、ドライブネッツの共同設立者兼 CEO(最高経営責任者)のイド・スーザンと共に参加しました。
ネットワーククラウドでより良いオペレーションへ
"我々はこの (ドライブネッツとの) 関係を楽しんでいます。我々は、共に取り組んでいるディスラプションを楽しんでいます。私たちは、ソフトウェアだけでなく、フルサービスを提供する能力において、共に働き、限界を超えることができることを楽しんでいます。我々は共同で、我々のような規模の通信事業者が必要とする信頼性と厳格さを提供することができるのです。”
AT&T SVP 兼ネットワーク CTO イガル・エルバズ氏
- ネットワークに入ってくるトラフィックが前年比で約30%増加しています。
- 今日、あらゆるタイプのお客様が、より多くのサービスをクラウドから、そしてどこからでも消費するようになり、シームレスなネットワーキング体験を提供することが求められています。
- このような体験を提供し、以前よりもはるかに簡単にネットワークを拡張できるようにするアプローチやアーキテクチャを開発する必要がありました。その際、私たちは3つの原則に基づいて開発しました:
- コンバージェンス: 私たちは、マルチサービスの統合エッジを構築しています。この統合は、実際にはアクセスノードに至るまで行っています。
- オープン化: 柔軟性、コスト優位性、ネットワークインテリジェンスにつながります。
- クラウド化: ネットワークのあらゆる部分にクラウドアーキテクチャーの原則を適用しようとしています
"ドライブネッツは明らかに非常に良い候補です。クラウドネットワークアーキテクチャが、この(我々が求める)柔軟性を提供するためには、実に適切だと考えています。我々のラボでテストを開始し、おそらく年末までにトライアルを行う予定です。"
Orange 社 国際ネットワーク担当 EVP ジャン・ルイ・ルルー氏
現在の我々のネットワークは、主に次のような要件に直面しています:
- コスト効率:TCO (Total Cost of Ownership) の削減
- スケーラビリティ:トラフィックは年間 30~40% 増加しています。
- サステナビリティ(グリーン):2030 年までにカーボンフットプリントを 45% 削減することを目標としています。
- オン・デマンド: B2Bのお客様は、数回のクリックで注文、アップグレード、ダウングレードができるオン・デマンドサービスを求めています。
- 柔軟性・弾力性:上記のような要求事項を満たすために必要なことはこれらに集約されます。
- ルータの分離分散化は、これらのニーズに応えるものであり、だからこそ、1年前に分離分散化への移行を決定したのです。
- 我々は、分離分散化に関するスライドウェアを聞くのをやめて実装と実験を始めることにしました。取り組みをスイッチから開始し、今ではコアルータとピアリングルータ(P、PE)に取り組みを移行しています
"すべてのネットワークレイヤーでディスアグリゲーション(分離分散化)を推進しています。なぜか?ソフトウェアとハードウェアを切り離すことで、異なるイノベーションサイクルを持つことができ、より速い方法でネットワークに新しいものをもたらすことができるのです。"
Telefónica 社 コア、トランスポートおよびサービスプラットフォーム担当副社長 カエタノ・カルバホ氏
我々がディスアグリゲーション (分離分散化) とクラウド化を推進しているのは、以下の理由からです:
- イノベーションサイクルを分離する:ソフトウェアにおけるより速い革新を活用する。
- 競争の激化:参入障壁が下がることにより多くのベンダーが参入
- アクセスからコアまで、ネットワークにかかわるすべての分野でディスアグリゲーションを推進しています(UNICA プロジェクト)
- Open RAN (Radio Access Network)
- OLT (Optical Line Terminal) のディスアグリゲーション
- オプティカル製品のディスアグリゲーション(サードパーティ トランスポンダ)
- IP ルータのディスアグリゲーション(CSR (Cell Site Router) から vBRAS を経由してコアまで)
- IP とオプティカルの融合
MWC 2023 では他にどんな新情報があったのでしょうか?
実際のところ、モバイルの分野では、それほど多くはありませんでした。業界はまだ 5G のキラーアプリを探しているところであり、まだメタバースについて話しているところであり、6G について話し始めているところです。
一方、クラウドネイティブネットワーキングの分野では、このイベントは、いわゆる大風呂敷/市場の啓蒙のフェーズから、現実/試行錯誤と教訓/大規模商用展開のフェーズへの移行を告げるものになりました。
クラウドネイティブネットワーキングの大きなニュース
上記のようなクラウドネットワーキング業界の現状を私が知ったのは、次のような事実からです:
- 我々ドライブネッツ社のブースを訪れたお客様(大変多くご来場いただきました)は、商用展開の次のフェーズ、ロードマップ、新しいサービスなど、極めて現実的な話をされていました。
- 我々のブースに立ち寄ったお客様の多くは、立ち寄る前からすでにドライブネッツが何をしているのか、分離分散化やクラウドネイティブネットワーキングがどんな価値があるのか、他の事業者での成功事例をご存知でした。
- MWC での我々のプレスイベントには、世界の Tier-1 通信事業者から3名の上級管理職が参加し、分離分散化の価値について講演しました。
分離分散型クラウドネイティブネットワーキングの次なる展開は?
今後数週間のうちに、我々はプレスイベントのより詳細な要約を発表する予定です。しかし、上記のハイライトは、分離分散型クラウドネイティブネットワーキングが、もはや「もし (if) 」や「なぜ (why) 」の問題ではなく、「いつ (when)」「どこで (where)」の問題になっていることを明確に示していると思います。
個人的に次回の MWC 2024 を早くも楽しみにしています。
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